700Cって何mm?|ETRTOとリム幅でタイヤの太さが変わる話

結論
- 700Cは直径700mmではありません。23Cで外径約668mm、28Cでも約678mm。本当の基準は、タイヤがリムに乗る部分の直径(BSD)622mmです。
- ETRTOの新基準では、25Cや28Cの表記はリム内幅19mmに付けたときの太さ。リム内幅が2mm変わると、タイヤ幅は約1mm変わります。
- リム内幅17mmで28C(実測約27mm)を使っていた人が、内幅22mmのワイドリムに替えるなら、25C(約26.5mm)がほぼ同じ太さになります。
「細いタイヤより太いほうがいいのは分かったけれど、エトルトは初耳です」。前の動画にそんなコメントをいただきました。そこでこの動画では、ロードバイクのタイヤでおなじみの700Cと**ETRTO(エトルト)**について、ロードバイクに乗る人が知っておけばいい範囲に絞ってお話ししています。
フックの有無、650B、MTBのサイズなど、ややこしい話は今回は省きます。今ロードバイクに乗っている人、これから買う人の99%は700Cのはずです。
Q. ETRTOとは?
European Tyre and Rim Technical Organisationの略で、タイヤとリムの規格を定めている団体です。昔はタイヤの規格が乱立していて、20インチの折りたたみ自転車で同じインチのタイヤを買ったのにはまらない、ということが今でもあるそうです。その中でロード用として広まり、事実上の標準になったのが700Cです。
Q. 700Cの「700」は直径700mm?
A. 違います。 測ってみると、700mmどころか695mmもありません。
| タイヤ | 外径(目安) | 外周(目安) |
|---|---|---|
| 23C | 約668mm | 約2,096mm |
| 28C | 約678mm | 約2,136mm |
お肉屋さんで700gを頼んだら668gしか入っていなかった、みたいな話です。実際に測ってみても、ほぼこの数字でした。
外径はタイヤの太さで変わります。自転車のタイヤは断面が丸いので、太くするほど外径も大きくなるのです。計算はシンプルで、
外径 ≒ 622 + タイヤ幅 × 2
23Cなら622+23×2=668mm、28Cなら622+28×2=678mm。どうしても700mmにしたいなら、39Cくらいのとんでもなく太いタイヤを履けば近づきます(普通のロードフレームにはまず入りません)。あくまで目安で、タイヤは古くなると大きくなりますし、空気圧でも変わります。
本当の基準は「622」
クリンチャータイヤの縁にはビードという芯が入っています(スチールやアラミドなど。折りたためるものはアラミドなどのビード)。このビードがリムに引っかかる部分の直径は、緩いと走っているうちに外れてしまうので、絶対に変わりません。これをBSD(ビードシート径)と言い、700Cは必ず622mmです。
つまり700C=実質622。タイヤの箱にも「28-622」と「700×28C」が並んで書いてあったりします。同じことを2通りで書いているだけです。
ちなみに、MTBの29インチもBSDは622mmです(リム幅やフレームのクリアランスで入らないこともあります)。
サイコンの設定に注意
GPS式でないサイクルコンピューターは、タイヤの外周を設定しないと速度が正しく表示されません。小さい数字で設定すると、実際より速く表示されます。
Q. リム幅でタイヤの太さが変わる?
A. 変わります。 ここが少しややこしいところです。
以前は、25Cと書かれたタイヤはリム内幅15mmに付けたときに25mmになるように作られていました。ところがリムがどんどん太くなり、内幅17mmが主流、19〜22mmのワイドリムも増えました。そこでETRTOは基準を変え、リム内幅19mmに付けたときに表記の太さになるようにしました。3年ほど前の話で、今日本で売られているタイヤは、ほぼすべてこの新基準です(東南アジアでは、安いタイヤに旧基準がまだあるようです)。
リムが太くなったのは、ワイドリムにするとタイヤの踏ん張りが大幅に向上し、太いタイヤのほうが速くて安定するからだそうです。たとえばマヴィックの新しいオールロードSLは、リム内幅がなんと25mm(旧モデルは22mm)です。
計算の目安
リム内幅が2mm変わると、タイヤ幅は約1mm変わる。これだけ覚えておけば計算できます。
| タイヤ | リム内幅17mm | リム内幅19mm(基準) | リム内幅22mm |
|---|---|---|---|
| 25C | 約24mm | 25mm | 約26.5mm |
| 28C | 約27mm | 28mm | 約29.5mm |
Q. ホイールを替えるときのタイヤ選びは?
私自身の例です。今はリム内幅17mmのホイールに28Cを履いていて、実際の太さは約27mmです。
もし内幅22mmのワイドリムに替えて同じ28Cを履くと、約29.5mmとかなり太くなります。一方、25Cを履けば約26.5mmで、今までとほぼ同じ太さになります。
つまり、ワイドリムに替えるときはタイヤのサイズも見直したほうがいいということです。ホイールを買い替える予定がある人は、覚えておいて損はありません。
おまけ:数字のラベルが変わっただけのことも
折りたたみタイヤは、太いほど伸ばしたときの長さも長くなります。ところが、新基準の28Cと、旧基準のパナレーサー・レースDの25Cを比べると、長さがほぼ同じで、カタログ重量もどちらも250gでした。数字のラベルが変わっただけで、中身はあまり変わっていないこともあるのです。最近のタイヤが軽くなったと感じる理由の一つかもしれません。
まとめ
- 700Cは直径700mmではない。23Cで約668mm、28Cで約678mm
- 本当の基準はBSD 622mm。外径は「622+タイヤ幅×2」が目安
- ETRTOの新基準では、タイヤ幅の表記はリム内幅19mm基準
- リム内幅が2mm変わるとタイヤ幅は約1mm変わる
- ワイドリムに替えるなら、一つ細い表記のタイヤでほぼ同じ太さになる
よくある質問
700Cのタイヤの直径は700mmですか?
いいえ。外径はタイヤの太さで変わり、23Cで約668mm、28Cで約678mmです。700Cの本当の基準は、タイヤのビードがリムに乗る部分の直径(BSD)622mmで、これはどのタイヤでも変わりません。
ETRTO(エトルト)とは何ですか?
European Tyre and Rim Technical Organisationの略で、タイヤとリムの規格を定める団体です。ロードバイクに乗るなら、700C=622mmであることと、タイヤ幅の表記がリム内幅19mm基準になったことを知っておけば十分だと思います。
リム幅が変わるとタイヤの太さはどう変わりますか?
目安として、リム内幅が2mm広がるとタイヤ幅は約1mm太くなります。25Cを内幅22mmのリムに付けると約26.5mm、内幅17mmのリムなら約24mmになります。
動画で見る
この記事の元になった動画です。実際の動きは映像のほうがずっとわかりやすいので、ぜひあわせて見てください。