フラットペダルとビンディングはどっちが速い?|GCNの実験結果

結論
- GCNの実験では、勾配12%・800mの坂はフラット3分7秒、クリップレス3分9秒。往復5.5kmのタイムトライアルも2秒差で、ほぼ互角でした。
- はっきり差が出たのは全力スプリントだけ。3秒間のパワーはクリップレス1189W、フラット908Wと、クリップレスが有利でした。
- 100kmのロングライドでもタイムの差はほぼなし。ただし股関節まわりの違和感や下りの安定感で小さな差が出ました。普段のライドならフラットでも十分です。
フラットペダルとビンディングペダル、本当はどっちが速いのか。ずっと気になっていたテーマです。この動画は、世界有数の自転車系YouTubeチャンネルGCNが公開した2本の実験動画の中身を、1本にまとめ直したものです。今回は私の意見はなるべく入れていません。詳しくは元のGCNの動画をご覧ください。
ちなみに「ビンディングペダル」はほぼ和製英語で、英語ではクリップレスペダルと呼ぶのが普通です。この記事でも、実験の話ではクリップレスと呼びます。
Q. クリップレスとフラットの違いは?
- クリップレスペダル:靴とペダルを固定する仕組み。トゥークリップ(クリップ)がないので「クリップレス」
- フラットペダル:靴を固定しない普通のペダル
この組み合わせが定着したのは1980年代半ばから。それ以前のプロはトゥークリップとベルトを使っていて、1987年のツール・ド・フランスを制したスティーブン・ロッシュもこの方式でした。
研究データでは、フラットとクリップレスでペダリング効率そのものに差はないという結果も出ているそうです。では、なぜ差がつくのか。それを確かめたのがこの実験です。使ったのは、安物ではなく金属製でピン付きのフラットペダルと、ソールの硬い自転車専用のフラットシューズです。
Q. 坂道ではどっちが速い?
A. ほぼ同じ。フラットがわずかに速い結果でした。
勾配12%、約800mの坂での結果です。
| 項目 | クリップレス | フラット |
|---|---|---|
| タイム | 3分9秒 | 3分7秒 |
| 平均パワー | 429W | 415W |
| 平均心拍 | 145 | 150 |
| 最大心拍 | 158 | 165 |
パワーは低いのにタイムはフラットが速い。走ったコナーさんは、クリップにはめる手間がない分、出だしが速かったと分析しています。ただ、心拍はフラットのほうが高く、きつく感じていたようです。サドルに座っているときは、ピン付きの硬いシューズでかなり安定していたそうです。
Q. タイムトライアルではどっちが速い?
A. たった2秒差でした。
往復5.5kmのタイムトライアルで、フラットは9分22秒、クリップレスは9分20秒。最高速度はフラットが時速54.5km、クリップレスが53.8kmでした。
クリップレスは、踏むたびに力がしっかり伝わる感覚があったそうです。一方フラットは、向かい風で足元が落ち着かない感じや、カーブの後の再加速で少し物足りなさを感じたとのこと。予想以上の接戦でした。
Q. スプリントではどっちが速い?
A. ここではっきりクリップレスが有利でした。
| 全力スプリントのパワー | クリップレス | フラット |
|---|---|---|
| 3秒間 | 1189W | 908W |
| 5秒間 | 1154W | 906W |
| 20秒間 | 880W | 740W |
足を引き上げる力も使えるクリップレスは、20秒の後半でも踏み込みを維持できたそうです。フラットは、スピードが乗るほど足が固定されていない不安を感じたとのことです。
Q. 100kmのロングライドではどうだった?
GCNのもう1本の動画では、普段クリップレスを使っているライダーが、フラットペダルで33kmの周回コースを3周、計100km走りました。
- 前半は快適。違いを感じるのはペダルに足を戻す瞬間くらい
- 足の位置を自由に変えられるのはフラットの利点。ただ、左右で位置がずれて置き直す場面も
- 向かい風の区間では、いつもと違う疲れを感じた
- 下りでは、足が固定されていない分わずかに不安定さを感じた
走り切った翌日の感想は、思った以上に楽しめた。フラットに足を引っ張られた感覚はなく、周回に組み込んだ坂のタイムも、夏にクリップレスで走ったときとほとんど差がありませんでした。
ただ、股関節のあたりに小さな違和感が出たそうです。足の位置を常に微調整していたことが原因ではないかと分析しています。
Q. 結局どっちを選べばいい?
| 場面 | おすすめ |
|---|---|
| 普段のライド、バイクパッキング、強度の低いライド | フラットでも十分 |
| レースや練習の高強度ライド、全力スプリント | クリップレスが有利 |
注意点として、出演者は2人とも何年もクリップレスに乗ってきた人です。長年の癖が結果に影響している可能性があります。これから始める人なら、クリップレスに慣れる練習が要らない分、フラットのほうが楽に感じるかもしれません。
ちなみに2人とも、フラットの実力に驚きつつ、今後もクリップレスを使い続けるそうです。どちらが正解というより、使い道で選ぶ話です。
私自身の考えはビンディング入門やフラットペダルとスニーカーでお話ししています。
まとめ
- 坂道・タイムトライアルではほぼ差なし。フラットがわずかに速い場面も
- 全力スプリントだけはクリップレスがはっきり有利
- 100kmロングライドでもタイム差はほぼなし。ただ股関節の違和感や下りの安定感に小さな差
- 普段のライドならフラットでも十分。高強度やスプリント重視ならクリップレス
- どちらが正解ではなく、自分の乗り方で選べばいい
よくある質問
フラットペダルとビンディングペダルはどちらが速いですか?
GCNの実験では、坂道やタイムトライアルではほとんど差がなく、フラットがわずかに速い場面もありました。全力スプリントだけはクリップレス(ビンディング)がはっきり有利でした。
ロングライドはフラットペダルでも大丈夫ですか?
GCNの100kmライドでは、タイムはクリップレスのときとほぼ同じでした。ただ、足の位置を毎回微調整するせいか股関節まわりに違和感が出たり、下りでわずかに不安定さを感じたりしたそうです。普段のライドやバイクパッキングならフラットでも十分とのことでした。
ビンディングペダルは英語で何と言いますか?
英語ではクリップレスペダル(clipless pedals)と呼ぶのが普通です。ビンディングペダルという呼び方はほぼ和製英語なので、海外では通じにくいと思います。
動画で見る
この記事の元になった動画です。実際の動きは映像のほうがずっとわかりやすいので、ぜひあわせて見てください。