小柄な人向けのロードバイクは?|リドレー YUNGSTRを解説

結論
- リドレーのYUNGSTRは、既存モデルを縮小したのではなく、小柄な人のためにゼロから設計したカーボンのオールロード。身長150cm前後から対応するグローバルモデルです。
- リアセンター410mm、BBドロップ60mmとレースバイク並みに反応が良さそうな一方、ホイールベースは970mmと長く、小さいサイズでもつま先とタイヤが当たりにくい設計です。
- 完成車は37万9,500円で、シマノ105の12速、165mmクランク、32Cタイヤ。サイズ選びは身長より股下で考えるのが大切です。
小柄な人向けに作られたロードバイクの記事が流れてきました。大手ブランドが小柄な人専用にゼロから設計したモデルを出すのはかなりレアです。多くのメーカーは既存モデルを小さくするだけですから。今回はベルギーのリドレーの新モデル**YUNGSTR(ヤングスタ)**を見ていきます。
最近はAIに頼って動画を作っているので質にばらつきがありますが、この回の見どころは後半のジオメトリです。
Q. リドレーってどんなブランド?
ベルギーのブランドです。ベルギーは自転車が国技と言われるほど自転車文化が根付いた国です。
- 自前の風洞を持っている。世界の自転車メーカーでも数社しかなく、いわゆるビッグ4(ジャイアント、トレック、スペシャライズド、キャノンデール)の中でもスペシャライズドだけ。多くのブランドは期間限定で借りています
- 吸い出し式の珍しいタイプで、時速180km相当まで実験できるそうです
- シクロクロスでは看板ブランド。ロードのプロチームにも機材を供給しています
そんなガチガチのレース志向のブランドが、小柄な人向けに全力を注いだわけです。
Q. YUNGSTRという名前の意味は?
母音を抜いたスペルですが、「スター(星)」ではありません。英語の接尾辞 -ster で、ギャングスター、ヒップスター、モブスターと同じく「〜な人」を指す言葉。**youngster(若者)**から来ていて、小柄なイメージと重ねてあります。中身は大人向けの本気のロードバイクです。
Q. 小柄な人のサイズ選びは?
以前のサイズ選びの動画の結論がそのまま使えます。見るべきは身長ではなく股下です。
同じ身長でも股下は人によって違い、民族や性別でも変わります。たとえば身長170cmの欧米人男性の股下は、日本人なら身長163cmくらいの人と同じくらいです。メーカーの適応身長で選ぶと、日本人にはワンサイズ大きいことがあるのです。
- 測り方:靴を脱ぎ、壁を背にして分厚い本を股に挟む。本の上端から床までが股下
- 小柄なら短いクランクのほうが合いやすい
- 不安ならショップのフィッティングサービスを使うのも手です
Q. フレームの特徴は?
既存モデルの縮小コピーではなく、小柄な体格に合わせてゼロから設計されています。小さいサイズは、大きいフレームのバランスを崩して縮めただけ、というパターンが多いので、ここが大事なポイントです。
- オールロード(舗装路も未舗装路もこなす万能タイプ)。タイヤとホイールを替えればグラベルやシクロクロスにも
- ヘッドチューブと一体化したステアラーでケーブル完全内装
- トップチューブにストレージボックス、ダウンチューブに3ボルト・シートチューブに2ボルトのボトル台座。小さいのにダブルボトルが可能
- リアディレイラーハンガーはスラムのUDH。落車で曲がっても交換部品が手に入りやすい
- フォーククラウン内側の形状で、時速50kmで空気抵抗を10%低減するそうです
- 体重制限は車体込み110kg。小柄な人は体重に対して荷物の比率が大きくなりがちなので、ありがたい配慮です
Q. ジオメトリはどこがすごい?
ここは私が本気で見たところです。
| 項目 | 数値 | ひとこと |
|---|---|---|
| シートチューブ長 | 400mm | 700Cで身長150cm前後が普通に乗れる限界くらい |
| スタック | 485mm | 低い。ここが高いと踏んでいけない |
| リアセンター(チェーンステー) | 410mm | 非常に短い |
| BBドロップ | 60mm | トップレベルに浅い |
| ホイールベース | 970mm | 小さいサイズとしては長め |
| ヘッド角/シート角 | 71°/75° | 安定性と、踏んだときの効率を両立 |
| フォークオフセット | 50mm | 32Cタイヤでトレール量は約65mm |
- リアセンターが短く、BBドロップが浅いと、踏んだ瞬間の加速が鋭くなります。ツアーレースを走るレースバイクと2mmしか変わらない数値で、ジオメトリからすると、とんでもなく反応が良い、踏んだ瞬間にカツーンと進むバイクに見えます
- 水平換算トップ長は500mmですが、カーボンで成形が自由な今、気にすべきはスタックとリーチです
つま先とタイヤは当たらない?
小さいフレームにつきまとうのが、つま先と前輪がぶつかるトゥーオーバーラップです。ホイールベース、リアセンター、BBドロップから計算すると、フロントセンターは約568mm。165mmクランクで、ペダル軸から前輪外周まで約60mmあります。シューズやビンディングにもよりますが、このサイズなのに思いきり干渉することはなさそうで、かなり意外でした。
小さなバイクは驚くほど普通に乗れて、面白く感じるものです。たとえば奥さん用に買って自分がちょっと乗ってみたら「これ楽しくない?」となる可能性もかなりありそうです。ただ、長距離の安定感や、荒れた路面で跳ねやすいといった小さいモデルならではの面もあります。
Q. スペックと価格は?
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 価格(完成車) | 37万9,500円(税込) |
| サイズ・カラー | 小さいサイズ1種類、ブラック1色 |
| フレーム/フォーク | カーボン(929g)/フルカーボン(401g) |
| 完成車重量 | 約9kg(参考値) |
| コンポ | シマノ105 機械式12速 |
| クランク/ギア | 165mm、50×34T、カセット11-36T |
| タイヤ | コンチネンタル ウルトラスポーツ 32C(最大34mm程度) |
| ホイール | シマノのアルミ完組 |
| その他 | BB86、フラットマウント、シートポスト27.2mm |
タイヤは減らない代わりに性能は控えめなので、硬くて外しにくければ早めに交換してもいいと思います。
2026年の今、一流ブランドの新型カーボンモデルとしては十分受け入れられる価格です。中身は妥協がないどころか、面白そうなジオメトリの専用設計ロードバイクです。
まとめ
- リドレーYUNGSTRは、小柄な人のためにゼロから設計したカーボンのオールロード
- 身長150cm前後から。ただしサイズは股下で選ぶ
- リアセンター410mm・BBドロップ60mmで、レースバイク並みに反応が良さそう
- ホイールベース970mmで、つま先とタイヤの干渉も起きにくい
- 完成車37万9,500円、105の12速、165mmクランク
よくある質問
身長150cmくらいでも乗れるカーボンロードバイクはありますか?
リドレーのYUNGSTRは、身長150cm前後から乗れるように小柄な人向けにゼロから設計されたカーボンロードです。ただしサイズ選びは身長ではなく股下で考えることをおすすめします。
小さいサイズのロードバイクはつま先がタイヤに当たりませんか?
小さいフレームほどトゥーオーバーラップ(つま先と前輪の干渉)が起きやすくなります。YUNGSTRはホイールベースを970mmと長めに取っていて、計算上ペダル軸から前輪外周まで約60mmあるので、思いきり干渉することはなさそうです。
ロードバイクのサイズは身長で選べばいいですか?
身長よりも股下を見るのが大切です。同じ身長でも股下は人によって違い、日本人は同じ身長の欧米人より股下が短い傾向があります。壁を背に分厚い本を股に挟み、本の上端から床までを測ってください。
動画で見る
この記事の元になった動画です。実際の動きは映像のほうがずっとわかりやすいので、ぜひあわせて見てください。