ヒルクライムが速くなる14のコツ|トップクライマーに学ぶ

結論
- BikeRadarで、プロの記録を次々に破ったイリ・ガードナー選手らが語ったヒルクライム14のコツを紹介しています。
- トレーニングは低強度の長いライドを中心に、目標に合わせた高強度を少し混ぜる。激坂に慣れる、筋トレを取り入れる、軽量化より自分を鍛える、が柱です。
- 本番はペース配分とライン取り、気持ちの持ち方、補給(1時間に60〜100gの糖質)が重要。のんびり派の私にも、トレーニング配分は参考になりました。
今回は、海外の自転車メディアBikeRadarの記事を紹介しています。ヨーロッパの過酷な山岳でプロたちを打ち負かしたクライマーに、そのコツをインタビューした記事です。私にヒルクライムで速くなる方法が分かるはずもないので、記事の内容をざっくり紹介し、ところどころ感想を挟んでいます。詳しく知りたい方は元記事をご覧ください。
答えているのはどんな人?
中心になっているのは、イギリスのイリ・ガードナー選手(取材当時25歳)です。
- 10代からアマチュアチームに所属し、UCIのプロチームには2年間だけ在籍
- プロを退いた後も、休暇で訪れたアルプ・デュエズやステルヴィオ、ゾンコランなどで、Stravaの**QOM(クイーン・オブ・ザ・マウンテン)**を次々に獲得。ワールドツアーのプロの記録を、リムブレーキのバイクで破ってきた
- エベレスティングの記録を作ったことでも知られる
もう一人、同じくタイトルを狙う男性ライダーのエドワード・ラベラック選手も答えています。
プロを退いた理由は、楽しめなかったことのようです。欧米の選手は家族や友人とのつながりをとても大切にするので、遠征や合宿で離れることを大きな犠牲と考えるのだと思います。
ヒルクライム14のコツ
記事に出てきた14のポイントを、私なりに要約します。
| No. | コツ | 要点 |
|---|---|---|
| 1 | トレーニング配分 | 低強度の長いライド中心+目標パワー前後の高強度を少し |
| 2 | 激坂に慣れる | パワーが出せても坂に慣れていないと力を出せない |
| 3 | コースを偵察する | コースを知っているとペース配分が良くなる(できれば) |
| 4 | 筋トレ | 自転車の練習が順調なら筋トレも効果的 |
| 5 | 強度を保つ | 本番前に強度を落としすぎない |
| 6 | コストを考える | 数gの軽量化より、体と心を鍛える |
| 7 | 外的要因 | 交通量、時間帯、気温、標高による寒さを考える |
| 8 | 平地でもTT | 登りのために平地で鍛えるのも意味がある |
| 9 | ウォームアップ | 麓までの道で徐々に上げる |
| 10 | 気楽に | パワーに縛られすぎない。スプリットタイムや速度を見る |
| 11 | ペース配分 | すべては忍耐。全力は最後の5〜10分 |
| 12 | ライン取り | ワイドイン・クリップ・ワイドアウト。最短が最速とは限らない |
| 13 | 心を整える | 楽しみにしていたことを思い出す |
| 14 | 補給 | 1時間に60g、できれば80〜100gの糖質 |
1. トレーニング配分
目標に必要なパワーを少し上回る強度で5分・20分を5本ずつ、少し下回る強度で30〜40分。それ以外の普段は、持久力重視の低強度の長いライド。記事では低強度トレーニングの重要性がかなり語られていました。
2. 激坂に慣れる
ゾンコランに挑戦するために、ガードナー選手は14%勾配で練習し、UCIプロの記録を上回ったそうです。
3〜6. 偵察・筋トレ・強度・コスト
- 偵察:コースをよく知っているとペース配分がうまくなる。ただ、ヨーロッパの超長い山では必須ではない
- 筋トレ:ガードナー選手はそれまでやっていなかったが、2024年に取り入れたら確かに効果があった。種目はスクワット、片足ランジ、ルーマニアンデッドリフト、ボックスジャンプの基本的なもので、重量は中程度、5〜8セット程度
- 強度を保つ:本番に向けて強度を落とす(テーパリング)ことをあまり意識しなかったそう。もちろんオーバーワークはダメで、人それぞれです
- コスト:高いお金をかけて数g軽くするより、ライダー自身の体と心を鍛えるほうがはるかに重要
7〜10. 外的要因・TT・ウォームアップ・気楽に
- 外的要因:交通量の少ない早い時間に出るのがいい。ただし早朝は寒く、日中は暑くなる。標高が上がると急に寒くなることも
- 平地でTT:近所の登りを使わず、平地でトレーニングしている選手もいる
- ウォームアップ:麓まで自走しながら10分かけて徐々に上げ、30秒強く・30秒リラックスを5回。体だけでなく頭をすっきりさせる効果がある
- 気楽に:パワーばかり見ていると、予定どおり出ないときに焦る。スプリットタイムを手書きで用意するのもいい方法で、特に速度を重視しているそうです
余談ですが、プロのタイムトライアルでは、スタートの何時間も前に満腹にならない程度に食べ、ローラーで長くアップして、スタート直前にもさらに回すと別のところで見たことがあります。私たちが思うよりずっと体を温めるのです(これは記事の内容ではありません)。
11〜14. ペース・ライン・心・補給
- ペース配分:すべては忍耐。どこで休みどこで踏むか。全力を出せるのは最後の5〜10分。380Wで走っていたら最後に390Wにする、その10Wが劇的な差になるそうです
- ライン取り:プロはレースで道を最大限使っています。ワイドイン・クリップ(頂点)・ワイドアウト。ただし内側が一番急なこともあり、ゾンコランでは真ん中あたりが一番急だったとか。周りの人にも注意
- 心を整える:脚の調子が良くても気持ちが整っていないと結果は出ない。「ずっと楽しみにしていた」と自分に思い出させる
- 補給:どれくらい必要かは人と努力しだいだが、30分ほどで補給を考える。きついときほど食べたくないが、必要なものだと思い出して食べる。登る前の補給も大切で、1時間ごとに最低60g、できれば80〜100gの糖質
のんびり派の私の感想
のんびりエンジョイ派の私にはピンと来ない部分もありましたが、よく言われることを「なるほど」と確認できました。特に、低強度を長い時間やり、高強度を時々混ぜるというトレーニング配分は、私も自然とそうなっていたと思います。家を出てしばらくはのんびり、途中でペースを上げられる区間がある、というのが私の基本コースです。
登りの技術的な話は、クライム入門や坂道シッティングのコツをどうぞ。
まとめ
- BikeRadarの記事から、トップクライマーのヒルクライム14のコツを紹介
- トレーニングは低強度の長いライド中心+目標前後の高強度を少し
- 激坂に慣れる、筋トレ、軽量化より自分を鍛える
- 本番はペース配分(全力は最後の5〜10分)、ライン取り、気持ち
- 補給は1時間に60〜100gの糖質。きつくても食べる
- 詳しくは元記事へ。のんびり派でもトレーニング配分は参考になります
よくある質問
ヒルクライムが速くなるにはどんなトレーニングをすればいいですか?
紹介した記事では、低強度で長く走るライドを中心に、目標パワー付近の高強度トレーニングを少し混ぜる方法が語られていました。加えて、本番と同じような激坂に慣れておくことも大切だそうです。
ヒルクライム中の補給はどのくらい必要ですか?
記事では、1時間ごとに最低60g、できれば80〜100gの炭水化物(糖質)を取るのがよいとされていました。きついときほど食べたくなくなりますが、必要なものだと思い出して食べることが大切だそうです。
軽量化はヒルクライムに効果がありますか?
記事の2人は、高いお金をかけて数グラム軽くするより、体と心を鍛えるほうがはるかに重要だと言っていました。比べれば軽量化の効果はごくわずかだそうです。
動画で見る
この記事の元になった動画です。実際の動きは映像のほうがずっとわかりやすいので、ぜひあわせて見てください。