ロードバイクの正しいフォーム|本当とウソ、腹圧が鍵

結論
- よく言われる正しいフォームは正しいのですが、そのままではできないことが多いです。背中の自然なカーブは意識しなくても勝手になっています。
- 意識すべきなのは頭を上げすぎないこと。肩や腕の完全なリラックスは、上体を腕で支えている限り無理です。
- 鍵はお腹にくっと力を入れて腹圧で上体を支えること。この筋肉は育つのに時間がかかるので、それまで首や背中が痛くなるのは仕方ありません。
ある記事で紹介されていた「長距離が楽になる正しいフォーム」のポイントについて、本当とウソをお話しします。記事はプロの方が書いていて、もちろん正しいのですが、解釈の仕方はいろいろあって、そのままではできないこともあるのです。
意識しなくていいこと
背中の自然なカーブ
「腰から背中にかけて自然に曲がっている」。これは意識してはいけません。意識しなくていいし、しないほうがいい。勝手になっているからです。
頭の中ではまっすぐのつもりでも、脚が自然に回せて、尿道の圧迫がない限り、自然なカーブになっているはずです。
背中を丸める・骨盤を立てる
一番ダメなのが、意識して背中を丸めたり骨盤を立てたりすることです。
- 重心が後ろにずれて、腕で支える割合が減るので、一瞬楽な気がする
- でも、段差のショックでぎっくり腰のようになったり、上体を左右にうまく振るときに脇の筋肉が使えなくなったりする
人によって、まっすぐ立ったときの骨盤の傾きも違います。とりあえず立てようとしないことです。詳しくは骨盤の角度でもお話ししています。
意識すべきこと:頭を上げすぎない
「頭を上げすぎず、下げすぎず」。下げすぎずは考えなくていい(前は見ていないとダメですが)。上げすぎないことだけ意識してください。
家を出て街中を走っていると、急に首が痛くなることがあります。車が飛び出してきそうで怖いので、広く見渡そうとして頭を上げすぎているのです。
- おでこで前を見る感じ。視界が全部見えていなくていい
- 上目遣いで、メガネの上の縁が水平より少し上くらいまで。それで前は見えます
できないこと:肩から腕の完全なリラックス
「肩から腕にかけてリラックスしている」。これは無理です。完全にリラックスすると、腕で上体を支えられなくなるからです。ほぼ完全にリラックスできている方は、私の動画などを見ていないはずです。
- ハンドルは力まずに握る(まだ少し勝手に力は入る)
- 腕を突っ張り棒のようにロックしない。肘がロックしていると首や背中がすぐつらくなり、脚も降りにくくなる
- 肘は外に張らない。ある程度曲げて、肘の内側を気持ち前に向けると、さらにリラックスしやすい
- 肩に一度ぎゅっと力を入れてから、すっと抜くと力が抜けやすい
鍵は腹圧
乗りながら腕の力を抜いていくと、上体がぐぐっと下がってきます。腕で支えている部分があるからです。この割合を減らすのが腹圧です。
- お腹にくっと力を入れる。乗っている間はずっと入れ続ける
- 腹筋だけでなく、お腹の奥や後ろ側の筋肉も使って、お腹を風船のように内側から張る
- 力を入れたときと入れないときで、腕を抜いたときの上体の落ち方が変わるはずです
乗れている方は、無意識にこれをやっているはずです。ロードのプロ選手は胸まわりの筋肉はあまり発達していないのに、お腹だけ出ているように見えることがあります。あれは体幹の筋肉が発達しているからだと思います。
ただし、すぐにはできない
この筋肉は育つのに本当に時間がかかります。コツを掴んでも、すぐには腹圧を高められません。
だから、どんなに頭で悩んでも、首や背中がある程度痛くなるのは仕方ないのです。あなたが下手なわけではありません。たくさん乗って育てるしかありません。
私は、推奨はできませんが(日本では違反切符を切られるかもしれません)、路面の良い平坦や下りで上体を起こし、首や腕をほぐして、痛くなるタイミングを遅らせています。
まとめ
- よく言われる正しいフォームは正しいが、そのままではできないことが多い
- 背中のカーブは意識しない。丸めたり骨盤を立てたりしない
- 意識するのは頭を上げすぎないこと。おでこで前を見る
- 腕の完全なリラックスは無理。ロックしない・肘を張らない
- 鍵はお腹にくっと力を入れて腹圧で支えること。育つまでは痛くなっても仕方ない
- 詳しくはポジションとフォームへ
よくある質問
ロードバイクで背中は丸めるべきですか?
意識して丸めたり、骨盤を立てようとしたりしないでください。脚が自然に回り、尿道の圧迫がなければ、背中は勝手に自然なカーブになっています。丸めると一瞬楽に感じますが、背骨に負担がかかります。
ロードバイクで首が痛くなるのはなぜですか?
特に走り出しの街中で、周りを見ようとして頭を上げすぎていることが多いです。おでこで前を見る感じで、メガネやアイウェアの上の縁が水平より少し上に来るくらいで十分見えます。
腕の力を抜くとなぜ上体が落ちてくるのですか?
上体を腕で支えている割合があるからです。お腹にくっと力を入れて腹圧を高めると、その割合を減らせます。ただ、腹圧を支える筋肉は育つのに時間がかかります。
動画で見る
この記事の元になった動画です。実際の動きは映像のほうがずっとわかりやすいので、ぜひあわせて見てください。