ママチャリでも30km楽に走るコツ|空気圧・サドル・ペダリング

・ 三岡慶利

動画「【30キロ入門】どんな自転車でも楽にをサイクリング:ママチャリ軽快車でもOK」のサムネイル

結論

  • 特別な体力も予算も要りません。空気圧・サドル位置・ペダリングの3つを変えるだけで、ママチャリでも30km以上を楽に走れます。
  • 空気はタイヤに書かれた上限までしっかり入れる。サドルは股下×0.883の高さまで上げ、前に出し、座面は水平にします。
  • ペダルは踏み下ろさず、後ろ足の腿を上げることを意識。体重が前にかかっていれば前足は自然に降り、お尻の痛みも減ります。

ママチャリ(軽快車)でも、クロスバイクでも、今手元にある自転車で30km以上のサイクリングを楽しむ方法です。体力はほぼ不要で、予算も基本は無料、あっても1,000円台です。多少お腹が出ているくらいなら全然大丈夫です。

自転車の性能は、思っているよりはるかに高いのです。ただし山は別です。ギア比の問題もありますし、山には山の技術が要るので、今回は忘れてください。

やることは4つ(実質3つ)

  1. 空気圧
  2. サドル位置
  3. バーセンターバー(なくても大丈夫)
  4. ペダリング

1. 空気をしっかり入れる

空気圧はかなり重要で、これだけで性能が上がります。空気が抜けていると本当に大変です。バルブには3種類あります。

バルブ 主な自転車 入れ方
英式 ママチャリ(軽快車) 空気圧が分からないので、いっぱい入れて、さらに入れる
仏式 クロスバイク、ロードバイク タイヤに書かれた上限(MAX)まで
米式 マウンテンバイクなど タイヤの表示に従う

タイヤの側面をよく見ると、たとえば「最小100psi(7bar)、最大120psi(8.5bar)」のように書いてあります。

注意:入れすぎると破裂する

マウンテンバイクのような太いタイヤは、あまり高い圧は入れられません。3barまでのタイヤに、ロード用のゲージ付きポンプでアダプターを使って5〜7barも入れようとすると、タイヤの一部がぼこぼこ膨らみ、爆発します。すさまじい音で、金属部分がめくれ上がるほどです。ママチャリの普通の空気入れなら、そこまでは入らないと思いますが、ご注意ください。

2. サドルを上げて前に出す

これがめちゃくちゃ重要です。楽さが大幅に変わります。

高さの決め方

  1. 靴を脱ぎ、背中を壁につけてまっすぐ立つ
  2. ノートやまな板のような四角いものを股に挟み、ぎゅっと押し上げる(少し食い込むくらい)
  3. 上端に印をつけ、**床からの距離(股下)**を測る
  4. 股下に0.883(0.89くらいでもOK)をかける
  5. その長さを、クランクの軸(BB)の中心からサドル上面までの距離にする

ママチャリと比べると、思い切り高くなったと思います。

前後位置と角度

  • サドルはとりあえず前に出す(一番前に)
  • 座面は水平に。後ろの反り上がりと前の下がりは無視して、座る部分が水平になるように。柔らかいサドルなら気持ち前下がりが実質水平です

サドルが高くなると乗り降りが大変になります。先にまたがってから片足をペダルに乗せて動き出し、トンと座るようにしてください。降りるときはその逆です。詳しくはサドル位置の動画もどうぞ。

なぜサドルを上げて前に出すのか

普通の乗り方では、ペダルをよいしょっと踏み下ろして進みます。それが自転車だと思っているかもしれません。でも、踏み下ろさなくても進むようにできるのです。

サドルを上げて前に出すと、体の重心が前に来ます。頭や上半身は重いので、重心が前に来るだけで足は自然に降りていきます。脚1本だけでもかなり重いですからね。

さらに、体重がお尻・手・ペダルに分散されるので、お尻が痛くなりにくいのです。体重60kgの人が後ろに40kg乗っていたら、ペダルには少ししかかからず、踏み下ろすのが大変です。サドルを前にすれば、お尻には15〜20kgくらいしか乗らなくなります。

自転車で100km走れる人がいるのは、たったこれだけのことが大きいのです。踏み下ろしていては遠くに行けません。

3. バーセンターバー(あれば)

なくても大丈夫です。肘を曲げて上体を少し前に倒すだけでも、体重が前にかかって足が降りやすくなります。ハンドルに補助バーを付けると、少し先を持てたり手のひらを乗せたりできます。調整できるならハンドルを少し下げるのも良いです。

4. ペダリング:後ろ足の腿を上げる

難しく考えなくて大丈夫です。

  • 後ろ足:ペダルに下向きの力がかからないようにする。腿を上げるイメージ。きついときはペダルから足が離れてふわふわするくらい上げてもいい
  • 前足:踏み下ろさない。脱力する
  • ギア選択も大切。登りや向かい風、荒れた路面では前足が降りにくくなる

本当は、慣れてくると太ももの裏やお尻の筋肉を使っていますが、意識してできるものではありません。後ろ足の腿を上げ、前足に力を入れないことを続けていれば、自然にできるようになります。

足がひゅっと回るとき、足を下ろすのではなく、体ごと前にふわっとジャンプするようなイメージを持つと、やりやすくなると思います。

詳しくはペダリング入門でもお話ししています。

ロードバイクの方へ

実はこれは、ロードバイクの乗り方入門でもあります。ただし、ロードバイクはサドルを前に出しすぎることもできてしまうので、出しすぎると膝や手、肩、背中に来やすくなります。ポジションとフォームやハンドルの高さも参考にしてください。

まとめ

  • 体力も予算もほぼ不要。空気圧・サドル位置・ペダリングを変えるだけ
  • 空気はタイヤの表示の上限まで(太いタイヤの入れすぎは破裂注意)
  • サドルは股下×0.883の高さまで上げ、前に出し、座面は水平
  • サドルを前に出すと重心が前に来て足が自然に降り、お尻も痛くなりにくい
  • ペダルは踏み下ろさず、後ろ足の腿を上げる
  • ママチャリでもクロスバイクでも、これで50km以上走れるようになるはずです

よくある質問

ママチャリでも30km走れますか?

走れます。自転車の性能は思っているよりずっと高いです。空気をしっかり入れ、サドルを上げて前に出し、踏み下ろさないペダリングにするだけで、多少太っていても30km以上は楽に走れるはずです。ただし山は別です。

サドルの高さはどうやって決めればいいですか?

壁に背中をつけて立ち、ノートなどを股に挟んでしっかり押し上げ、床からの高さ(股下)を測ります。その長さに0.883(0.89くらいでも可)をかけた距離を、クランクの軸(BB)の中心からサドル上面までの長さにします。

タイヤの空気はどのくらい入れればいいですか?

仏式バルブ(クロスバイクやロード)はタイヤ側面に書かれた上限まで。英式バルブ(ママチャリ)は空気圧が分からないので、普通の空気入れでしっかりいっぱいまで。ただし太いタイヤにゲージ付きの高圧ポンプで入れすぎると破裂するので注意してください。

動画で見る

この記事の元になった動画です。実際の動きは映像のほうがずっとわかりやすいので、ぜひあわせて見てください。

  1. 1:44 具体的にどうするか?
  2. 2:34 空気圧と注意点
  3. 7:14 サドル位置とポイント
  4. 16:04 ペダリングの秘密

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