ロードバイクで60km走るコツ|疲れる・痛い原因と対策
![動画「🔰 [脱初心者] 60キロを疲れずにさっくさくで走ろう ペダリング入門シリーズ」のサムネイル](https://i.ytimg.com/vi/R3Qi9NV8RP0/maxresdefault.jpg)
結論
- 走れない原因は、進むための筋肉の「疲れ」と、体を支えることで起きる「痛み」の2つ。分けて考えると対策がはっきりします。
- 疲れは、山を避ける・朝ご飯を食べる・50分ごとに一口二口の水・頑張らない(踏み下ろさない、重めのギアでゆっくり)の4つで防げます。
- お尻の痛みは、何度か乗る・痛くなる前に時々お尻を浮かせる・サドルを前に出す、で軽くなります。それ以外の痛みは時々フォームを変えることから。
30km、50km、70kmくらいは走っているけれど、平坦中心で、100kmはまだ、あるいは一度走ってひどく疲れた。この動画はそんな方に向けて、トレーニングなしで60kmをさくさく疲れずに走る方法をお話ししています。
決して下に見ているわけではありません。私自身、乗り始めてから何年もずっとそうでした。当時はYouTubeで分かりやすい解説もなく、ちょっとした技術で走行能力が大きく変わるなんて想像もしていなかったのです。そんな過去の私に送りたい動画です。あくまで私の個人的な意見です。
走れない原因は2つある
走れるようになるには、走れない理由をつぶせばいい。走れないのは疲れるからです。そして疲れる原因は、別々の2つに分けて考えると分かりやすくなります。
| 原因 | 主な症状 | |
|---|---|---|
| A. 疲れ | 自転車を前に進めるための筋肉の疲労 | 脚がつる、脚が上がらない、膝の痛み |
| B. 痛み | 体を支え続けることによる疲労 | お尻、背中の上のほう、手、腕、首の痛み |
どちらも筋トレやランニングで解決するものではありません。逆に言えば、トレーニングは要らないのです。体力で勝る若い初心者でも、乗り方を知っていれば私たちおっさんがぶっちぎれる。夢がありますよね。
A. 疲れへの対策は4つ
誰でもすぐにできる4つです。一見アホっぽいですが、一つずつ説明します。
あ. 山を避ける
山に行けば身体能力は上がるかもしれませんが、乗り方の練習にはなりにくく、疲れるだけになりがちです。今は平坦で練習しましょう。将来きっと山が好きになりますから、そのときに行けばいいのです。
い. 朝ご飯を食べる
実感しにくいですが、ちゃんと食べておくと疲れ方が変わります。定食でもトーストと目玉焼きでも構いません。難しいことは考えず、抜かずに食べておくことです。
う. 水は50分に1回、一口二口
- 50分程度に1回を目安に飲む
- 量は一口か二口で十分。がぶがぶ飲む必要はない
歩いていても、2時間ほどでパフォーマンスが急に落ちるタイミングがあります。その前に少し飲んでおけば大丈夫で、たくさん飲んでも次に落ちるタイミングはほとんど変わらないそうです。これは私が陸上自衛隊の行軍の要領で学んだことで、自転車界で言われている「もっと飲め」とは違うかもしれません。個人差もあります。
え. 頑張らない
一番大事なのがこれです。今あなたが自転車を漕ぐのに使っている、ペダルを踏み下ろす力は使いません。必要なのは、後ろの足の脱力と前の足の脱力です。
- 絶対に踏み下ろさない。脱力はあらゆるスポーツの基本で、極意でもあると思います
- 回転数は低めに、なるべく重めのギアでゆっくり。「ケイデンス90」は、筋肉と心肺のバランスの話で、今は気にしなくていい
- 最初は進まないかもしれません。でも、頑張りながら頑張らずに進む方法は学べません
詳しいやり方はペダリング入門でお話ししています。この4つで、Aの疲れはクリアです。
B. 痛みへの対策
大前提として、こんなものに何時間も身動きせずに座っていたら、誰だって痛くなります。空港のロビーで30分寝ただけでも体は痛くなりますよね。痛くなって普通なのです。
ちなみに60kmなら、6〜7時間かかっても、折り返しで1時間以上休んでもいいのです。選手になるわけではありません。平坦中心なら、そのうち2〜3時間で走れるようになるでしょう。
お尻の痛みへの3つの対策
- 何度か乗る:ひどく痛くなっても、数日後にまた乗ると意外と痛くない。3〜4回で、いわゆる「お尻ができて」きます。10回、20回乗っても毎回痛いなら別の理由があります
- 座らない(時々お尻を浮かせる):冗談ではありません。両膝を伸ばして立つだけでいいのです。片足を6時の位置にしてそちらにほぼ全体重を乗せ、お尻をサドルに触れる程度にするだけでも圧迫が抜けて血流が戻ります。痛くなる前に、10秒でも30秒でも。正座と同じで、時々立てば長く座れます
- サドルを前に出す:骨盤を立て気味にしてサドルの後ろ目に座った状態で、前後位置と高さを合わせます。サドルを前に出すと、ハンドルとペダルにかかる体重が増え、そのぶんサドルにかかる体重が減ります。つまり、ある程度お尻を浮かせているのと同じです
サドルについても一言。お尻が痛いからと柔らかいサドルにするのは逆効果で、どちらかと言えば固めのほうが痛くなりにくいと私は思います。最初はフラットなサドル一択(フィジークのVXやアリオネなど)。座る位置や骨盤の角度を色々試す段階では、曲がったサドルで要素を増やさないほうがいいです。
詳しくはお尻の痛みの記事もご覧ください。
お尻以外の痛み(背中・手・首)
残念ながら、こちらはすぐに解決とはいきません。サドルを前に出しすぎると、今度は手や背中、肩に来ます。ちょうどいいところを探す必要があります。
- 肩を上げない、脇を軽く閉める。手の小指側を軽く絞り込むとやりやすい
- イメージはお侍さん。脇が締まり、なで肩で、力が抜けている
- 肩の力が抜けないときは、一度ぎゅっと力を入れてから、ふわっと抜く
どこかが痛くなったら体に聞いてください。お尻が痛いならお尻に、手が痛いなら手に荷重しすぎているのです。
すぐにできる対策は、時々フォームを変えることです。前目や後ろ目に座る、骨盤を少し立ててみる、首をコキッと回す。痛くてたまらなくなる前にやってください。周囲の安全には十分注意してください。
痛いからといって自転車側で対処するのではなく、乗り方を変えるのが大切です。たとえば尿道の圧迫がきついからとサドルを前に傾けるのはダメで、前後位置や高さで対応し、サドルは水平が基本です。
まとめ
- 走れない原因はA. 疲れとB. 痛み。分けて考える
- 疲れ対策:山を避ける・朝ご飯・50分ごとに一口二口の水・頑張らない
- 頑張らない=踏み下ろさない、重めのギアでゆっくり。最初は進まなくていい
- お尻の痛み:何度か乗る・痛くなる前に時々お尻を浮かせる・サドルを前に出す
- それ以外の痛み:お侍さんのように力を抜き、時々フォームを変える
- 登りに慣れてきたらクライム入門へどうぞ
よくある質問
ロードバイクで60km走れるようになるにはトレーニングが必要ですか?
必要ありません。数十kmで疲れてしまう原因の多くは体力ではなく乗り方です。頑張らずに踏み下ろさない乗り方を覚えれば、今の体力のままで走れる距離はぐっと伸びます。
サイクリング中の水分補給はどのくらいの間隔ですればいいですか?
目安は50分に1回、一口か二口で十分です。私が陸上自衛隊で学んだ行軍の要領にもとづく目安で、自転車界で言われていることとは違うかもしれません。
初心者のうちは坂道で練習したほうがいいですか?
今は避けたほうがいいと思います。体力の向上にはなっても、乗り方の練習にはなりにくく、疲れるだけになりがちです。平坦で踏まない乗り方を覚えてから行けば、山は楽しくなります。
動画で見る
この記事の元になった動画です。実際の動きは映像のほうがずっとわかりやすいので、ぜひあわせて見てください。