ロードバイクで疲れない乗り方は?|ペダリング入門まとめ

・ 三岡慶利

動画「脱初心者🔰ペダリング入門(まとめ版パック)ロードバイクで長距離を走っても疲れないペダリングとポジションのコツ」のサムネイル

結論

  • 基本は筋力も心肺も使わず体の重さで走ること。踏み足は踏み下ろさず、上がる足の下向きの力はゼロにします。サドルは前目、高さは限界より10〜15mm低めが目安です。
  • 骨盤は寝すぎと立てすぎだけ避け、その範囲なら気持ち寝かせ気味で時々変える。足首はほとんどどうでもよく、無駄に動かさないことだけ。
  • 長距離で首や背中が痛くなるのは、上体を支える腹圧のインナーマッスルが育っていないから。肘の内側を前に向けて腕で踏ん張らず、時間をかけて育てます。

私は、自転車で100km、200kmを疲れずに走る方法を知っています。以前、ペダリング、骨盤、足首、ポジション、実走と5本の動画でバラバラに話していたので、この動画で1本にまとめ直しました。元の5本は合わせて2時間半です。

お断りしておくと、私はレース選手ではなく、のんびり走るエンジョイ派です。昔はこういう情報がどこにもなく、本屋で買った乗り方の本は専門用語ばかりでさっぱり分かりませんでした。あの頃の私に届けるつもりで、できるだけ噛み砕いています。なお、AIでまとめた部分があり、動画内で補足しているところもあります。

体力で若い人にかなわなくても、技術を知っていれば、体力のある初心者に勝てます。夢のある話です。

Q. 疲れないペダリングの基本は?

名付けて怠け者ペダリング。極意は、筋力も心肺もなるべく使わず、体の重さを使うことです。

  • 脚は太もも1本分の肉の塊で、かなり重い。その重みをペダルにトンと乗せるだけで、自然とペダルは下がる
  • 踏み下ろそうとする力は入れない
  • 上がる側の足(引き足)は、ペダルへの下向きの力を極限までゼロに。クランクはつながっているので、少しでも体重が乗っていると沈む足のブレーキになる。浮きそうなくらい抜く

練習法は、しばらく片足だけを意識して沈める練習をし、慣れたら両方同時に意識することです。最初は誰でもぎこちなくなります。

ギアとケイデンス

  • 重すぎると足が沈まず、軽すぎると回りすぎて息が上がる
  • 息が上がらない範囲でなるべく軽め、言い換えれば力を使わずに済む範囲でなるべく重め
  • 目安は会話がぎりぎり続けられるくらい。喋れなくなったら1枚重くする
  • 「90回転が正解」はあくまで平均の話。隣の歯数が近いクロスレシオのカセットのほうが、ちょうどいい1枚を見つけやすい

基本ができたら、押すのではなく足を開くような力を少し足すと、さらに回るようになります。ただし、基本ができない段階では絶対にできない感覚です。詳しくはペダリング入門へ。

Q. サドルの位置は?

  • 後ろすぎると足が沈まない。サドルを前目にすると、体重が前に乗って足を沈める力に体の重さが加わる
  • ただし前に出しすぎると、手・肩・首・背中の上に負担が集中する
  • 高さは、骨盤が左右に揺れない限界まで上げてから、10〜15mm下げる。限界の高さだと座る位置を変える自由がなくなるため
  • 目安は、下死点で膝が伸び切らないくらい

お尻が痛いのは「皮膚が薄いから」ではなく、ほとんどの場合、荷重の分散と座る位置で解決できると思います。

Q. 骨盤は立てる?寝かせる?

絶対にダメなのは2つです。

状態 サイン
寝かせすぎ 股まわりの圧迫、感覚がなくなる、ハンドルをやたら強く握っている
立てすぎ 背骨が限界まで曲がる、肩や首が突っ張る。段差でぎっくり腰のようになる危険

その間なら、気持ち寝かせ気味を基本にするのが私の考えです。お尻や太もも裏の筋肉を伸びた状態から使えて効率がよく、腹圧も使いやすいからです。ただし体型によって違い、疲れ具合やコースで時々変えるのがおすすめです。一度、思い切り後ろに座って寝かせる、前に座って立てる、の両極端を試すと違いが体感できます。詳しくは骨盤の角度へ。

Q. 足首の角度は?

ほとんどどうでもいい。大事なのは無駄に動かさないことだけです。

  • 目安は90°より少し開いた100°くらい。力を抜いた自然な角度で、膝がねじれにくく、サドルも少し高くできる
  • 足首でペダルを押し下げたり引き上げたりするのはタブー
  • 体重の乗り方の結果として動くのはOK。ダンシングではベコベコ動いても構わない

詳しくは足首の角度へ。

Q. 長距離のポジションは?

ここからは、言い切る形で話しますがすべて自己責任です。

  • サドル:フィジークのアリオネのような、固めでフラットなもの。水平。前に傾けるのは論外
  • 座る位置:少し後ろ目に、坐骨でどっしり座る(セーフモード)。両手放しでゆっくり走ってもふらつかない前後位置が目安
  • ハンドル:フラットか少し上向き。手のひら全体で均等に体重を受ける
  • 首:おでこで前を見る
  • 座る位置を少し前にずらすとノーマルモード・パワーモード。パワーモードは長距離では基本使わない

詳しくはポジションとフォームへ。

最近の大発見:首や背中の痛みの正体

長年乗っていても、久しぶりに乗ると首や背中が痛くなるのはなぜか。筋力でも心肺でも技術でも柔軟性でもなく、腹圧でした。

  • お腹を風船のように内側から膨らませた圧力で、上半身を下から支えている
  • それには骨盤の底などの深いインナーマッスルが必要で、育つのに時間がかかる
  • 息を止める必要はなく、普通に呼吸しながら軽く力を入れ続ける

そのためには、肘の内側を進行方向に向ける。腕でぎゅっと踏ん張れなくなるので、お腹の力を使わざるを得なくなります。手は小指側を軽く絞り込み、大きな卵をふわっと抱えるような、構えたお侍さんのイメージです。ベストポジションは体の発達とともに変わり続けます。

Q. 60kmをさくさく走るには?

トレーニングは要りません。走れない理由を疲れと痛みに分けて考えます。

  • 疲れの対策:山を避ける、朝ご飯を食べる、水は50分に一口二口、頑張らない
  • お尻の痛み:何度か乗るとお尻ができてくる、痛くなる前に時々腰を浮かせる、サドルを前に出す。柔らかいサドルはかえって痛い
  • その他の痛み:どこかが痛いなら、そこに体重が乗りすぎているサイン。フォームを時々変える

詳しくは60kmを疲れずに走るコツへ。

Q. 激坂はどうする?

怠け者ダンシングを使います。ギアは重めに、階段を一段登るように乗り移り、乗り移った足の膝はなるべく伸ばして体重で沈める。とにかくゆっくり。太ももがパンパンなら踏んでいる証拠、息が上がるならペースが速すぎるサインです。

座って疲れた筋肉をダンシングで休ませ、ダンシングで疲れた筋肉を座って休ませる。これができれば、200km走って2000m登っても翌日けろっとしていられます。詳しくは休むダンシング入門とクライム入門まとめへ。

まとめ

  • 踏むな。体の重さで沈め、上がる足の下向きの力はゼロに
  • サドルは前目、高さは限界より10〜15mm低め
  • 骨盤は無理に立てない。寝すぎと立てすぎだけ避け、時々変える
  • 足首はほとんどどうでもいい。無駄に動かさない
  • 上体は腕ではなく腹圧で支える。育つまで時間がかかる
  • 頑張るな。一度に全部やらず、一つずつ、のんびり長く楽しんでください

よくある質問

ロードバイクで疲れないペダリングのコツは何ですか?

踏み下ろす力を使わず、体の重さでペダルを降ろすことです。沈む足は下向きの力を入れず、上がる足は下向きの力をゼロにします。上がる足がペダルに少しでも体重を乗せていると、沈む足のブレーキになってしまうからです。

ケイデンスは90回転がいいのですか?

90回転はあくまで平均的な話で、ちょうどいいケイデンスは人によって違います。息が上がらず、会話がぎりぎり続けられる範囲で、一番くるくる回せるギアを自分の体で探すのがおすすめです。

長距離を走ると首や背中が痛くなるのはなぜですか?

上半身を腕で支えているからです。本来はお腹の内側からの圧力(腹圧)で下から支えますが、それには骨盤の底などの深い筋肉が必要で、育つまでに時間がかかります。久しぶりに乗ると痛くなるのもこのためです。

動画で見る

この記事の元になった動画です。実際の動きは映像のほうがずっとわかりやすいので、ぜひあわせて見てください。

YouTubeで見るチャンネル登録